有機・オーガニック味噌への取り組み
自然由来の食品である味噌を、
おいしさを維持しながら
安心安全にお届けしたいという思いから、
日本における有機認証制度が確立する前から、
30年以上、
有機・オーガニック味噌に取組んでいます。
味噌の原材料のうち、無機化合物である水と塩を除くすべてが有機栽培の農作物でなければ"有機味噌"にはなりません。有機栽培の農作物は禁止されている農薬や化学肥料を使用しないことを栽培条件としており、私たちが"有機味噌"の原材料に使用している大豆や米は、厳しく管理された農場で生産されています。栽培に適した冷涼な気候と適度な雨量、豊富に栄養を含んだ黒々とした土。潤沢な自然の恵みを受け、収穫まで丸々とその実を太らせます。そこに、圃場管理者の熟練した農業技術と緻密に実施される除草作業や徹底した帳票管理、“命がけでつくる”という熱が融合し、有機原材料の安心安全なおいしさはつくられています。
体にやさしく安全な食品を選びたいという時、注目していただきたいのが有機JASマークです。有機JAS認証を受けるためには、農林水産省登録の認定機関に申請し、生産や管理の方法について厳格な検査を受ける必要があります。認定機関に認定されて初めて、有機JASマークのついた食品を販売できるようになります。
有機JASマークの豆知識
- 有機農作物
- 農業の自然循環機能の維持増進を目的として、たい肥等で土づくりを行い、種まきまたは植え付けの前2年以上、禁止された農薬や化学肥料を使用しない圃場で生産された農作物。環境への負荷をできる限り低減し、作られています。
- 有機農作物加工食品
- 原材料である有機農産物の持つ特性が製造又は加工の過程において保持されることを旨とし、化学的に合成された食品添加物及び薬剤の使用を避けることを基本として製造された加工食品です。水と食塩を除いて、有機農産物及び有機農産物加工食品の原材料に占める割合が95%以上であることが必要となります。
オーガニック食品を食べることで生まれる好循環
育てる人
- 農業の有害性がなく元気に働ける
- 畑の状態が安定する
- 収入が安定することで、就農希望者が増える
農地(地球)
- 水、土、大気が汚染されない
- 生物多様性が育まれる
- 適量の作物が育成・収穫される
- 良い土地が長続きする
食品メーカー
(ひかり味噌のオーガニック味噌)
- 良質な原材料を安定的に調達できる
- 持続可能な食品づくりができる
食べる人
- 安心して食べられる
- 素材本来のおいしさを楽しめる
- 食の持続可能性が広がる
オーガニックが日常にある食生活を推進することは
SDGsの達成に貢献できると考えています。
- 飢餓をゼロに
- 地域の気候風土を尊重し生産加工するオーガニックは、地域に根差した食文化を維持し、モノカルチャー経済に起因する飢餓リスクを低減
- すべての人に健康と福祉を
- 化学物質を極力避ける生産加工方法により、生態系の健全性が向上。すべての生物の健康と福祉に貢献
- 安全な水とトイレを世界に
- 環境負荷の大きい化学物質などの排出を抑え、河川や地下水、海洋の生態系を維持・保全
- つくる責任つかう責任
- 自然循環機能を活用し、資源やエネルギーを無駄にしないオーガニックの生産加工の情報周知により、流通から消費に至る一連の行動が変化
- 気候変動に具体的な対策を
- 自然循環機能の活用による、使い捨て資材の低減、たい肥の利用などによる生産加工現場からの温室効果ガスの排出抑制
- 陸の豊かさを守ろう
- 土壌を豊かにすることオーガニックの生産方法で、生態系の維持と生物多様性に貢献
当社は、日本における有機認証制度が確立される前から、20年以上にわたり有機・オーガニック味噌に取り組んでいます。2000年のJAS法改正による有機食品検査認証制度にも迅速に対応し、登録認定機関のひとつである日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)から、認定製造業者として認められています。
ひかり味噌が取得している有機認証
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- 有機JAS(2000年取得)
- JASとは、"Japanese Agricultural Standard"の略称。農林水産省が制定した有機の日本農林規格で、当社は有機JAS規格が施行されると同時に取得。すでに1997年に米国の民間有機認証団体の認証を受けていたため、円滑に取得することができました。
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- USDAオーガニック(2001年取得)
- 米国農務省が定める有機制度に基づいた認証。認証を受けた商品には、USDA(米国農務省)オーガニックマークを貼付することができます。2013年9月に、米国によりNOP制度と日本の有機JAS制度が同等であることを認められたため、2014年1月からはどちらかの認証を取得していれば、有機商品として互いに輸出できるようになりました。
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- EU認証(2008年取得)
- EU委員会が定めたヨーロッパの有機規格に基づいた認証。ひかり味噌の有機・オーガニック味噌が、オーガニック先進地域であるヨーロッパでも本物と認められたという証です。
ひかり味噌の有機・オーガニック味噌のあゆみ
1988年 | 地元長野県産有機大豆、有機米使用の『頑固屋さんの味噌』発売 |
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1993年 | 米国OCIAの加盟農場と有機大豆の契約栽培開始 『こだわってます』発売 |
1997年 | 米国OCIAの認証を取得 |
1998年 | OCIA認証有機味噌『こだわってます』リニューアル発売 |
2000年 | 日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会により、JAS認定工場として認められる |
2001年 | 米国農務省全米有機プログラム(NOP)の基準に基づく有機認証を取得 有機JAS認証として『こだわってます』を発売 |
2007年 | 有機JAS認証の味噌や具を使用した『有機そだちのおみそ汁』を発売 |
2008年 | EU委員会が定めたヨーロッパの有機規格の認証を取得 |
2010年 | 「マル有 有機味噌」シリーズを発売 |
2013年 | 『こだわってます』に比べ、塩分を20%カットした『こだわってます 減塩』を発売 |
2017年 | 「こだわってます」シリーズが、有機味噌カテゴリにおいて売れ筋No.1※2を達成 『こだわってます 減塩』の減塩率を20%から25%にアップしリニューアル |
2018年 | オーガニックの白粒味噌『麹の花 無添加オーガニック味噌』『麹の花 無添加オーガニック味噌 減塩』を発売 |
日本では、まだまだ「特別なもの」と感じさせる有機食品ですが、海外、特に欧米諸国ではたくさんのオーガニック・有機食品が販売されており、市場規模は年々拡大を続けています。世界のオーガニック市場(2014年約8.9兆円)において、米国(第1位)とドイツ(第2位)は市場の56%を占めています。健康への意識の高まりと環境に配慮したサスティナブルな観点から、欧米諸国において広がりをみせるオーガニック・有機食品。安心安全、環境への意識があたりまえになりつつある日本においても、これからの動向が注目されています。