環境への取り組み

環境との共生

当社は、1998年に環境方針を制定し環境マネジメントシステムを導入しています。全社統一のマネジメントシステムの下、環境負荷軽減への取り組みとシステムの改善を続けています。また、環境保全の国際認証規格であるISO14001をいち早く取得。1999年の本社及び本社工場の登録に始まり、その登録範囲を全社へと拡大しています。

環境マネジメントシステム運用組織図




環境マネジメントシステムのあゆみ

地域の豊かな自然環境を守るために

下諏訪町・諏訪市・岡谷市にまたがる諏訪湖は、かつては日本屈指の水質を誇る湖でしたが、工場や農地、家庭からの排水により水質汚染が進み、1970年代には最悪の状態となっていました。1979年に飯島町に移転するまでの24年間、下諏訪町の本社工場で味噌の醸造を行っていた当社も、これ以上湖を汚すまいと、排水管理に奮闘する毎日でした。現在は流域下水道の整備事業や、市民による水質改善活動により、諏訪湖の水質は大幅に改善されていますが、昔のような美しさを取り戻すまでには、継続的な取り組みが必要です。
諏訪湖に関わりの深い当社のみならず、自然豊かな長野県に立地している信州味噌業界全体にとって、環境負荷の抑制は企業活動を行ううえで避けることのできない責務です。この責務を全うするため、当社は1998年にISO14001認証取得に向けた環境マネジメントシステム(EMS)の構築に取り組みました。

社員の意識付けから始めたEMS構築

システムの構築に伴い、現状把握から取り掛かりました。これまで工場全体の水や電力などの使用量はもちろん製造工程別の使用量などの詳細に至るまでの管理を徹底。部署や工程ごとに使用量を計測し、記録していく。社員がその意義を理解し明らかになった数値を基に講じた対策が次第に結果に結びつき、達成感を共有することで、その重要性の認識と自信を深めることができました。
その甲斐あって、EMS構築開始からわずか10カ月という異例のスピードで、1999年に本社および本社工場が味噌業界初となるISO14001認証を取得。2000年にはその登録範囲を、飯島グリーン工場まで拡大しました。

環境負荷対策を本格実施

以前から環境対策を行っていた当社ですが、ISO14001認証取得を機に、将来を見据えた施策に対する積極性を高めていきました。排水処理をはじめとする基本的な対策だけではなく、廃棄物の削減など全社的な活動を取り入れ、部門を問わず全社員が何らかの形で環境問題と向かい合うことで、社員一人ひとりの環境への意識向上に拍車がかかったのです。
軽量包装材や水性インクの採用、グリーン購入の推進から始まり、環境負荷の少ないエネルギーへの転換、再生可能エネルギーの導入、環境負荷低減推進専門部署の発足。包括的かつ長期的な視点に立った活動を今日まで進めてきました。

EMS推進を通して得た思わぬ財産

EMSの構築・運営を通して得たのは、ISO認証だけではありません。企業の発展のためには、商品を製造し販売するだけではなく、企業自体が社会から好感を持って受け入れられるように努力をすることが重要であると、改めて意識することができました。第三者機関の客観的かつ公正な見地から認証されたという事実によって、お取引先様をはじめとするステークホルダーから信頼を得ることができ、当社の成長要因にもなりました。

ひかり味噌の環境年表

1998 年 環境方針を制定し環境マネジメントシステムを導入
1999 年 長野県下諏訪町の本社および本社工場が味噌業界で初となるISO14001認証を取得
2000 年 ISO14001の登録範囲を飯島グリーン工場まで拡大
2009 年 味噌生産工程に使用するボイラーの燃料を重油から環境負荷の低いLNGに転換
再生可能エネルギー活用のためメタン発酵槽を導入
2010 年 経済産業省の国内クレジット制度の温室効果ガス排出削減事業として認定
2011 年 食品産業CO2削減大賞(株式会社日本総合研究所主催の農林水産省補助事業)において農林水産大臣賞を、信州エコ大賞(長野県環境保全協会主催)奨励賞を受賞
2012 年 メタンガス発電システムを導入
2013 年 加工食品の生産工程の燃料をLPGに転換し、重油使用ゼロを達成
2014 年 排水処理設備を拡張
2016 年 バイオマス発電機を追加導入

LNG・LPGの採用

飯島グリーン工場では、2009年1月に味噌生産工程に使用するボイラーの燃料を重油から、環境負荷の低いLNG(液化天然ガス)に転換しました。天然ガスは他の燃料に比べて、燃焼時の二酸化炭素や窒素酸化物の排出量が少なく、硫黄酸化物を排出しない環境負荷を抑えたエネルギーです。LNGは、その天然ガスを輸送しやすいようにマイナス162℃に冷やし、体積を600分の1に減らした液状ガスで、このLNGの採用により、工場の二酸化炭素の排出量は大幅に削減されました。
そして2013年1月、加工食品の生産工程においてもボイラーの更新に合わせてLPG(液化石油ガス)への燃料転換を図りました。LPGは石油ガスを加圧・液状化したガスで、LNG同様、二酸化炭素の排出量が少ないというメリットがあります。これにより、飯島グリーン工場は、「重油使用ゼロ」を達成することができました。

バイオマスボイラー利用による省エネルギープロジェクト

味噌の醸造は、大豆の蒸煮や設備の洗浄などに大量の水を使用するため、多くの排水が発生します。排水は処理設備において、法律で定められた水質基準に適合するよう浄化し、放流していますが、その処理過程で発生するのが大豆の皮などで構成される脱水汚泥です。飯島グリーン工場では、2009年に脱水汚泥を再発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵槽を導入。メタンガスをバイオマスボイラーの燃料として利用することで、省エネルギー化に成功し、さらに、産業廃棄物として処分していた汚泥の処分量を大幅に削減しました。

食品産業CO2削減大賞 農林水産大臣賞・信州エコ大賞 奨励賞を受賞

飯島グリーン工場で実施したLNGの採用と、バイオマスボイラー利用による省エネルギープロジェクトでの環境負荷低減が評価され、2011年に食品産業CO2削減大賞(株式会社日本総合研究所主催の農林水産省補助事業)において、最高賞である農林水産大臣賞を、信州エコ大賞(長野県環境保全協会主催)では奨励賞を受賞することができました。
またこれらのCO2排出量対策は、2010年1月に経済産業省の国内クレジット制度※の温暖化ガス排出削減事業として認められました。これは、長野県の食品メーカーとして初の認定となります。

「グリーンファイナンス・フレームワーク(ひかり味噌株式会社)」策定

国際資本市場協会(ICMA)の定めるグリーンボンド原則(GBP)2021、環境省の定めるグリーンボンドガイドライン(2022年版)に基づき、「グリーンファイナンス・フレームワーク(ひかり味噌株式会社)」を策定しました。当社は本フレームワークについて、これらの原則等との適合性に関する第三者評価を株式会社日本格付研究所(JCR)より取得しています。

環境活動を通じた社会とのコミュニケーション

諏訪湖アダプトプログラム

私たちは、本社のある諏訪郡下諏訪町の諏訪湖の自然環境を守るため「諏訪湖アダプトプログラム」の活動に参加しています。「諏訪湖アダプトプログラム」とは、32区画に分けられた諏訪湖の湖岸の1区画をこの活動に参加するそれぞれの団体が受け持ち、諏訪湖の自然環境を守るため美化活動を行うというものです。休日の早朝、社員の自主参加により行っている諏訪湖清掃は、当社の環境保護活動の原点ともいえます。

桜守ファミリー

飯島グリーン工場では、地元飯島町にある千人塚公園の桜の老木を守る「桜守ファミリー」の取り組みを行っています。上伊那郡飯島町にある千人塚公園は中央アルプスの麓にあり、春には雪の残る山なみと桜が織りなす風景が訪れる人の目を楽しませてくれます。この美しい風景を次世代へ残していくための桜の保護活動も、私たちの小さな環境への取り組みの一つと考えています。

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