玄米味噌で、いつもと少し違った味わいを楽しむ
淡白な食材に乳脂肪のコクをプラスしてうまみを引き立てる

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2019年05月31日

玄米味噌と雑穀米と合わせることでバランスの取れた味わいに
ホタテと菜の花のリゾット

進学、就職などライフススタイルが変化した方も多いのでは。そして新しい環境になじむためにも、体の調子を整えて、健康を維持したいものです。この時期に旬を迎える食材には冬の間縮こまっていた体を目覚めさせる、ビタミンをはじめとする栄養素がたっぷり。管理栄養士であり調理指導師協会会長を務める堀知佐子先生にお話をうかがいました。

ホタテと菜の花のリゾット

ミルクリゾットにすることで生まれるさまざまなメリット

見た目にも鮮やかな菜の花は、ベータカロチン、ビタミンA、C、E を豊富に含む緑黄色野菜です。「菜の花は、花蕾がなるべく閉じていて、茎の断面が白くないものを選びましょう。独特のえぐみがあるので、そのままリゾットに加えるのではなく、事前にさっと湯がいて。下処理をしておくことで色も鮮やかになり、一層、食欲をそそります」合わせるホタテも、春に旬を迎える魚介です。「栄養価的にはタウリンがたっぷり含まれているのが大きな特徴です。グリシンなどのうまみ成分が強く、高たんぱくで低脂肪のあっさりとした味わいは、誰もが好む食味でしょう」菜の花とホタテの組み合わせは、やや淡白なイメージがありますが、そこに牛乳を加えることで、こくが出てぐっと味わいが増すと堀先生。「牛乳の濃厚さがホタテの淡白な食味をカバーして、純粋なうまみだけが広がります。牛乳の乳脂肪の働きで、菜の花が含むビタミンA やC、ホタテが含むカルシウムの吸収が高まるなど、栄養価的にもメリットがあります」

麹の花

玄米味噌の力強さを雑穀米で包み込み、調和の取れた仕上がりに

リゾットの味付けに堀先生が選んだ調味料が、玄米味噌。「玄米味噌には玄米特有の独特な香りがあります。白米のリゾットでは、その香りが立ちすぎてしまいますが、雑穀米と合わせることでバランスの取れた味わいになります。玄米味噌は麹の外皮が残っているのでやや粒が立っていますが、その食感も雑穀と合わさることで主張しすぎず食べられます」白米と比較すると、ビタミンB 群や、血糖値の急激な上昇を抑えるガンマオリザノールという成分を含む玄米は、生活習慣病予防が期待できるとして近年注目を浴びています。しかし、その食べ方には注意も必要だと堀先生はいいます。「玄米に含まれるフィチン酸に はキレーションという働きがあり、鉄分や銅、亜鉛などの金属系のイオンを抱えて体外に排出する性質があります。白米の代用として玄米ばかりを食べているとミネラル阻害を起こす恐れがあるので、鉄分が入っているものを多めに摂るなど気を配りましょう」

主食をきちんと食べさせたいときは玄米味噌をチョイス

玄米味噌の力強さが牛乳の味を引き立て、主食をメイン食材とする料理とのコーディネートに合います。通常の味噌よりも味が強いので、少量でも満足度の高い仕上がりに。雑穀米は通常よりも少し硬めに炊くと、火を入れても軟らかくなりすぎません。


【レシピ】ホタテと菜の花のリゾット

材料 2人分

  • 雑穀ごはん(炊飯したもの) 220g
  • ホタテ貝柱 2個
  • 菜の花 50g
  • 牛乳 200cc
  • 玄米味噌 20g
  • クコの実 少々

作り方

  1. 雑穀ごはんは水で洗ってぬめりを取り、水気を切る
  2. 菜の花はさっと下ゆでし、軸の固い部分を切り落とす。残った軸は細かく刻み、蕾の部分は2㎝の長さに切る
  3. ホタテ貝柱はバーナーやフライパンで表面に焼き目をつけ、粗くほぐす
  4. 鍋に牛乳を入れて火にかけ、2/3の量になるまで煮詰める。煮詰まったら玄米味噌を溶き入れ、雑穀ごはんを加えてごはんが牛乳を吸うまで混ぜながら煮る
  5. ホタテと菜の花を加えて火を止め、器に盛り付ける。仕上げに水戻ししたクコの実を飾る

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