会食が増える季節、ダイナミックなお料理でおもてなし
牛もも肉の蒸し煮込み

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2019年12月6日

クリスマスやお正月など、にぎやかな行事が続くこの季節は、人が集まって食事をする機会も多いもの。 日常の食事と異なる、「ハレ」の日の食卓には、おいしさとともに迫力があるお料理が似合います。 お肉は塊のまま、お魚はできるだけ大振りに切って調理することで、うまみを閉じ込めつつボリューム感のある仕上がりに。 管理栄養士であり調理指導師協会会長を務める堀知佐子先生にご紹介いただきました。

鉄分豊富な赤身の肉と力強さがある赤系味噌は相性抜群
飽和脂肪酸が少なくヘルシーな牛もも肉

日本では、牛肉といえば「サシ」が入った脂質の多い和牛が長く珍重されてきましたが、近年では、健康維持のため食生活に気を使う人が増えたこともあり、赤身の牛肉がブームとなっています。 「魚油の脂と異なり、動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸はとりすぎることで心血管疾患などのリスクを高めるといわれています。 ももの部分は運動量が多いので脂肪が少なく、カロリーが低いうえ、鉄分が豊富。そういった点が消費者に好まれている理由でしょう」

堀先生が選んだお肉は、オーストラリア産のグラスフェッドビーフです。 「グラスフェッドビーフとは、牧草を食べさせて育てた牛のこと。オーストラリアでは主流の肥育方法です。 穀物で肥育したグレインフェッドビーフは脂肪が入りやすくなりますが、グラスフェッドビーフは低脂肪で噛みごたえがあり、 肉の味が前面に出てくるような食味が特徴です」グレインフェッドビーフが主流だった国産牛ですが、最近はグラスフェッドビーフも少しずつ流通し始めているそう。 料理によって使い分けをしてみるのも楽しいでしょう。

初心者でもトライしやすい「蒸し煮込み」

ローストビーフや焼き豚など、塊肉を使ったお料理は栄養素やうまみの流出が少なく、多くの人に好まれる調理法です。 一方で、加熱の塩梅が難しいと抵抗を感じる人も少なくないかもしれません。 そこで今回、堀先生は、初心者でも挑戦しやすい「蒸し煮込み」という調理法を提案してくださいました。
「蒸し煮込みはオーブンやフライパンなどで直にお肉を加熱するのではなく、液体を通じてお肉に火を入れます。 温度が上がりすぎないので、オーバークックしにくい調理方法です」 また、火を止めたら、お肉は煮汁から取り出さずに煮汁ごと冷ますのもポイントだと堀先生はいいます。 「液体の余熱でも火を通すことで、〝お肉を切ってみたら中が生だった〞というような失敗が防げます。 また、ゆっくりと火が通るので、お肉の仕上がりがきれいなばら色に。 煮汁につけておくことで乾燥も防げるので、脂肪の少ないお肉でもやわらかくしっとりと仕上がります」鉄分豊富で肉の味が強い赤身のお肉は、力強いうまみを持った赤系の味噌を合わせましょう。 肉の血液が持つ酸味をうまくマスクしてくれます。

ポリ袋で湯せんにかける調理法でも

蒸し器がない場合は、ポリ袋に調味料とお肉を入れて口を縛り、湯を沸かした鍋に入れて湯せんにかけてもおいしく仕上がります。 ポリ袋を調理に使う際には、耐熱温度を確認するようにしましょう。

【レシピ】牛もも肉の蒸し煮込み

材料 2人分

  • 牛もも肉 300g
  • 味噌(こだわってます) 大さじ2
  • 100cc
  • 100㏄
  • 砂糖 大さじ1
  • 片栗粉 適宜

作り方

  1. 鍋に酒、水、砂糖を入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら味噌を溶き入れる
  2. 牛肉はフライパンで焼き、表面に焼き色をつける
  3. バットに1、2を入れて蒸し器に入れ、10分蒸しあげる
  4. 牛肉を煮汁ごと氷せんに入れて冷ます。冷めたら煮汁から牛肉を取り出し、煮汁を鍋に入れて火にかけ、水溶き片栗粉でとろみをつけてソースにする
  5. 牛肉を食べやすい厚さに切り、器に盛り付けてソースをかける。好みでからしを添えてもよい

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