ビタミンカラーの野菜で夏を乗り切る
素材に合った調理法で、栄養をあますところなくいただく「夏野菜と味噌ゼリーのサラダ」
「旬の時期に旬のものを食べる」ことは、栄養価や価格の面だけでなく、体の調子を整えるためにも重要。食欲のないときでも食べやすい、冷たいゼリーと旬の野菜を合わせたお料理を、管理栄養士であり調理指導師協会会長を務める堀知佐子先生にご紹介いただきました。
栄養価の高い露地ものの夏野菜は、旬のごちそう
赤、緑、黄色……と、鮮やかな色が目にも楽しい夏野菜。「水分を多く含む夏野菜には、体を冷やしてくれるといううれしい効果が。 汗と一緒に体外に排出されがちなカリウムも豊富です」と堀先生は話します。 「ビタミンカラー」などといわれる夏野菜の濃い色は、目に楽しいだけでなく体にもうれしい栄養素をたくさん含んでいます。 「夏野菜の特徴は、なんといっても色素系のファイトケミカルがリッチであること。 トマトの赤のリコピン、なすの紫のナスニン、オクラの緑のクロロフィル、などが代表的です。 他に、オクラのネバネバやゴーヤの苦みなどの成分にも強い滋養強壮作用があります。 今はどんな野菜も一年中スーパーの店頭で見かけることができますが、露地ものを入手できるこれからの時期は野菜の栄養価も高まりますから、積極的にとってほしいですね」夏野菜の鮮度はヘタやガクに表れるという堀先生。 「トマトやパプリカはヘタがぴんとしているものを、なすはガクのとげがしっかりと立ったものを選ぶとよいでしょう。ゴーヤはふっくらしてハリがあり、イボがしっかりと立っているものを。切ったときにワタの種の部分が赤いものは、古くなっているサインです。 オクラは産毛がしっかりとしたものを選んで」また、家庭で野菜を保存する際、何でも冷蔵庫の野菜室に入れてしまう人は用心を。 暑い時期に育つ夏野菜は、常温保存が基本です。
野菜ごとに加熱の仕方を変えることで栄養価をキープ
「夏野菜と味噌ゼリーのサラダ」には5種の野菜を使います。 「トマトのリコピンは油と一緒にとることで吸収率が7〜8倍に増すので、トマトはさっとオリーブオイルで焼き付けます。 パプリカやゴーヤも、しゃきしゃきとした食感を生かしたいので、トマトと同様に焼き付けて。 なすのナスニンは水溶性色素で、ゆでると色が飛んでしまうので、なすは油で揚げるのがベスト。 逆にオクラは油で揚げると色が飛んでしまうのでゆでていますが、丸ごと加熱するので栄養価の流出は防げます。 脂溶性ビタミンや水溶性色素など、野菜が含む成分の損失を極力防ぐため、それぞれの野菜の加熱の仕方と時間に配慮するというそのひと手間が、見た目、味、食感、栄養、いずれの面でも最良の状態を生み出してくれます」 また、トマトとパプリカの皮をむくのも重要なポイントだと堀先生はいいます。 「表面がつるりとした野菜は、食べるときにゼリーが滑り落ちてしまいます。 野菜自体には昆布だしで薄く味をつけているだけなので、野菜とゼリーとがうまく絡むように処理することが大切。 トマトは焼き付けるとはじけるので、手で簡単に皮をむくことができます。パプリカは包丁で皮をむきましょう」
美しい彩りと野菜の食感が食欲をかき立てる一品
野菜のビタミンカラーや食感を損なわないよう、野菜に火を入れる際には加熱時間に注意をしましょう。 食材は野菜のみで肉や魚は使いませんが、野菜に油通しをしているので、さっぱりとした中にも適度な食べ応えがあります。
【レシピ】夏野菜と味噌ゼリーのサラダ
材料 2人分
- なす 1本
- トマト 1個
- 赤パプリカ 1/8個
- 黄パプリカ 1/8個
- ゴーヤ 1/4本
- オリーブオイル 適量
- オクラ 2本
- 味噌のゼリー 80g
作り方
- なすは乱切りにし、オリーブオイルで揚げる
- トマト、パプリカ(赤・黄)、ワタを取って薄切りにしたゴーヤをオリーブオイルで焼き付ける。トマトとパプリカは皮をむき、食べやすく切る
- オクラは熱湯でさっとゆでて7mm の輪切りにし、種を取り除く
- 皿に崩した味噌のゼリーを盛り付け、1、2、3を彩りよく盛り付ける玄米味噌…20g
【レシピ】味噌のゼリー
作りやすい量
- こだわってます 75g
- だし汁 500cc
- 板ゼラチン 12g
作り方
- 鍋にだし汁と味噌を入れて火にかける。温まったらキッチンペーパーなどで濾し、ふやかしたゼラチンを入れてよく溶かす
- ゼラチンが溶けたら、再度濾して密閉容器などに入れて冷やし固める
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