麹の力で風邪に負けない体をつくる「甘酒とヨーグルトのレアチーズケーキ」
気温が下がり、空気が乾燥する冬。手洗いやうがいなど、風邪の予防策にはさまざまな方法がありますが、ウイルスの侵入を防ぐだけでなく、体の抵抗力をつけることも有効な風邪予防法です。腸には、ウイルスから体を守る免疫細胞が多く存在します。日常の食卓に発酵食品を並べる習慣をつけて、腸内環境を整えておけば冬将軍も怖くはありません。味噌はもちろん、塩麹や甘酒なども積極的に使ってみましょう。管理栄養士の堀知佐子先生にお話をうかがいました。

子供から大人まで万人が楽しめる甘酒の優しい甘み
今回、チーズケーキに使用したクリームチーズは乳酸菌で牛乳を発酵させた後にホエイ(乳清)を取り除いて作った、フレッシュタイプのナチュラルチーズです。「クリームチーズは、生クリームに牛乳を加えて乳酸発酵させてつくる非熟成のチーズ。程よい酸味と濃厚なコクがあり、お菓子の主材料で使われることが多いチーズです。そのままパンに塗ってもおいしく食べられます」今回のレシピでは、砂糖を使用せず、甘酒で甘みをつけたという堀先生。「甘酒には、米麹からつくられるものと酒粕からつくられるものがありますが、今回は米麹由来の甘酒を使っています。米麹由来の甘酒はアルコールを含まないので、お子さまやお酒が苦手な方でもおいしく召し上がれます」
「麹」「乳酸菌」の2種類の発酵の力
レシピのポイントは、クリームチーズと甘酒、さらにヨーグルトと「麹」「乳酸菌」の2種類の発酵の力が組み合わさっている点だという堀先生。「麹の発酵と乳酸菌の発酵で、食味の面では甘みと酸味のバランスをとりました。また、甘酒に含まれるオリゴ糖やヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌を一緒に摂取する〝シンバイオティクス〟によって腸内環境が整うなど、栄養面でもうれしい組み合わせだといえます」

秋から冬に旬を迎える柿のソース
レアチーズケーキには一般的にブルーベリーやオレンジといったフルーツを使ったソースを合わせることが多いですが、堀先生がソースに使ったのは、秋から冬に旬を迎える柿。「柿はとても季節性が高いので、旬の時期にぜひとも食べておきたい果物。甘さが控えめで酸味がある生地に、糖度の高い柿のソースがよく合います。生柿に対する干し柿の割合を増やすことで甘みを強くすることができるので、お好みで調整してみてください」
なめらかなチーズ生地をつくるために事前準備を
クリームチーズを冷蔵庫から出してすぐに使うと生地が混ざりにくいので、時間がある場合は事前に常温において軟らかくなってから使うとよいでしょう。生地が固まりにくくなるのを防ぐため、ゼラチンはしっかりとふやかしてください。
【レシピ】甘酒とヨーグルトのレアチーズケーキ
材料 直径18cmの型1個分
- 甘酒(ゼラチンと合わせる分) 50cc
- 粉ゼラチン 8g
- クリームチーズ 130g
- ヨーグルト 150cc
- レモン汁 小さじ2
- 甘酒(生地に加える分) 100cc
- 全粒粉クラッカー 8枚
- バター 20g
- 砂糖 小さじ2
- ミント 適量 【ソース】
- 柿(皮をむく) 1個
- 干し柿※ヘタと種を取ってフードプロセッサーにかけておく 2個
作り方
- 50 ㏄の甘酒を耐熱容器に入れて600wの電子レンジで30秒加熱する。温まったら粉ゼラチンを振り入れてふやかしておく
- クリームチーズを耐熱容器に入れて600wの電子レンジで1分加熱し、軟らかくなったらボウルに入れてヨーグルト、レモン汁、甘酒(100cc)、1を加えてよく混ぜる
- 全粒粉クラッカーをよく砕き、溶かしたバターを入れてよく混ぜ、型に敷き詰める
- 3に2を流し入れて冷蔵庫でひと晩冷やし固める
- 生地が固まったら器に盛り付け、柿のソースを添えてミントを飾る
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MISOJIとは
日本古来の発酵食品である味噌󠄀やこうじをおいしく健康に楽しむための情報や、旬の食材を使ったレシピをご紹介しています。
麹をつかった発酵食品の美味しさをあらためて発見いただき、毎日の健やかな食生活の参考にしていただけましたら幸いです。